その近くに若夫婦が何不自由なく仲よく恵まれた生活をしており近所の人がうらやむほどでしたが、どういうことか、子宝に恵まれず子供がほしくて毎日神棚と仏だんにお祈りをしておりました。
と、ある日だんなさまが夕食後にねむくてしようがないので、いろりばたでうたたねをしていました。しばらくすると白髪の老人が長い杖を持って現れ、持っている杖で北の方角を指して『この谷の奥の四万という所に温泉が湧いてそこに薬師様があるから、その薬師様へおまいりしておねがいしてみよ』と言って消えてしまいました。はっと思い、目をさましてこのことをかみさんに話すと『これは天狗様のお告げだ』と、いてもたっても居られず、早速四万の薬師様へ行き、二人で『子供を授けてください』と薬師の湯に入りながら7日の間おこもりをしてお願いいたしました。 すると、そのかいあってかその翌年に玉のようなかわいい女の子が生まれました。
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